失業その他で生活に困った場合の支えの一つとして、都道府県の社会福祉協議会から生活資金などを一時的に支援してもらえる「生活福祉資金貸付制度」がある。
元々は1950年代に防貧と自立更生を意図した全国的な民間活動として始められたものだが、90年代以降、制度の改善が図られ、2009年には継続的な相談支援とともに生活費や一時的な資金の貸付けを行う「総合支援資金」が設けられた。
雇用保険適用事業所で働く労働者には、失業した場合、一定の要件を満たせば失業給付等が支給される。しかし、さまざまな理由から失業保険の適用を受けられない失業者もいる。また、低所得者、就職が困難な高齢者や障害者などが生活に困窮する場合もあり、そのような場合の支援制度として、従来の生活保護制度に加え、2015年度(平成27年度)から生活困窮者自立支援制度が始まった。
生活福祉資金貸付制度は、これと連携して、都道府県の社会福祉協議会が無利子または低利子で資金の貸し付けを行い支援するもので、総合支援資金を利用する者には、生活困窮者自立支援制度の支援も併せて行い、生活の立て直しを包括的に支援する体制ができている。
問い合わせは居住地域の市区町村社会福祉協議会が窓口となっており、連絡先が分からない場合は都道府県社会福祉協議会に連絡すれば教えてもらえる。どうしても困った際には一度問い合わせてみよう。
なお、かつては年金を担保にして独立行政法人福祉医療機構が小口の資金を貸し付けるいわゆる年金担保資金貸付制度があったが、この制度は2022年(令和4年)4月施行の改正で廃止されることになった。以前は労災保険法の社会復帰促進等事業の一環として、年金(労災年金のほか、国民年金、厚生年金も含む)の受給者が年金を担保に資金貸付を受けることが認められていたのだが、本来生活費に充てるべき年金が返済に充てられて利用者のさらなる困窮化を招く恐れがあるなど弊害も指摘され、既に以前から廃止が決定され、制度の運用が縮小されており、最終的には、令和3年度末に新規貸付の申込受付が終了することになった。
法の規定や頻繁に変わる通達の内容など、複雑でなかなかわかりにくいものです。ご自身で確認するよりは専門家に聞いた方が早い場合も多々あります。ご質問、気になることなどがありましたら、お気軽にご相談ください。
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